「ワイルド・スピードX2」

 2003年夏、「ワイルド・スピードX2」(2003年)のプロモーションで来日したポール・ウォーカーにインタビュー取材した経験があります。ある媒体に掲載されたインタビュー記事を再構成して掲載します。

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◎「10代の若者が憧れる作品に」
=「ワイルド・スピードX2」主演のポール・ウォーカー

 車のストリートレースに情熱を注ぐ若者たちの姿を描く映画「ワイルド・スピードX2」(ジョン・シングルトン監督)。「僕の『スターウォーズ』への憧れを、10代の若者たちに感じてもらえたら」と話すのは、主演俳優のポール・ウォーカー。プロモーションで来日した際、このシリーズへの思い入れを聞いた。

◇迫力満点のカーアクション

 ウォーカーが演じるのは、マイアミで繰り広げられるストリートレースで活躍中の元警察官ブライアン・オコナー。シリーズ前作「ワイルド・スピード」では、ロサンゼルスのストリートレース界で潜入捜査を行ったが、友情を優先させて容疑者を逃し、解雇された経歴の持ち主だ。

 今作では、成功時に警察官に復職できるとの条件で、マネーロンダリング資金洗浄)を行う組織の実業家を逮捕するため、汚れた金の“運び屋”として再び潜入捜査に就くことに。ブライアンは“スピード狂”の幼なじみとともに、運び屋に成り済ますが―。

 三菱ランエボVII、日産スカイラインGTR、ホンダS2000…。カラフルなボディーペインティングが施されたスポーツカーは、この作品のために改造されたものばかり。見どころとなるレースシーンやカーチェースは、迫力、スピード感ともに満点だ。一方、「組織のボスを追い詰める」という内容はシンプルで、展開も軽快。人種が異なる登場人物のキャラクターも、それぞれ際立っている。

◇「パート3は日本で撮りたい」

 「前作で、ブライアンは、『おとり捜査』というハードな任務を背負っていたし、最後には『警察官の職務か、友情か』という道徳的な決断も迫られた。作品全体の雰囲気はシリアスなものだった」と、ウォーカーは振り返る。対する今作は、監督が交代したこともあり、カーアクションの魅力が前面に押し出されるなど、作風を異にする。「カーアクションのダイナミックなところは残しつつ、今回はもっと『楽しさ』を出したかったんだ」

 シングルトン監督との間では、「パート3をやろう」との意見で一致しているという。「次は、車文化を見直すドキュメンタリータッチの作品にしたい。改造車などは日本の文化でもあるから、日本で撮影できればと思っている」。このアイデアは、既に製作サイドに伝えているそうだ。

 子役として芸能活動を始めたウォーカー。「ワイルド・スピード」でのブレーク後、「自分が本当に出演したい映画に取り組めるようになり、開放感を感じている」と言う。今後の夢を尋ねると、「若者に支持される映画に出演し続けること」と答えてくれた。

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 公開中の「ワイルド・スピード×3」にはポール・ウォーカーは出演していませんが、「日本が舞台」という点は彼の言葉の通りでした。