劇場版ポケットモンスター「ギラティナと氷空の花束シェイミ」

 子供たちに大人気のアニメ「ポケットモンスター」の劇場版を、初めて映画館で鑑賞した。シリーズ11作目の最新作「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール/ギラティナと氷空(そら)の花束シェイミ」(湯山邦彦監督、2008年)は、サトシやピカチュウが、現実世界と隣り合わせの「反転世界」の支配を目論む謎の青年ゼロの暴挙を食い止めようと奮闘する物語だ。
 時間を司るディアルガと、空間を司るパルキアが、前作で現実世界で激しいバトルを繰り広げた後、反転世界は黒い雲で覆われていた。反転世界は重力にゆがみがあったり、建物が逆だったりしていて、ここで物を壊せば現実世界に影響を及ぼすのだという。反転世界の主は「ギラティナ」だが、ゼロはギラティナの力を手に入れて反転世界を支配し、現実世界を破壊しようとする。
 今回、主役となるキャラクターの一つは、「感謝ポケモン」のシェイミ。少しわがままなキャラクターながら、最終盤にサトシに示した謝意は心からのものだった。
 一方、「時空」や「次元」といった設定は、子どもたちには難解な気もするが、サトシやポケモンたちの活躍を通じて消化しているようだ。そして、自然の摂理、正義や友情の大切さなどが、登場人物やキャラクターの設定や劇中の言動から伝わってくる。
 ポケモンは、まさに「知育」のシリーズである。
 初登場のシェイミギラティナは、条件によって形状を変える「フォルムチェンジ」をするため、それぞれ2パターンの「フォルム」がある。子どもたちの関心を引く、こうした巧みなキャラクター設定も見事だった。